
Frans Hals · PD
髑髏を手にする男の肖像
作品情報
ストーリー
右上の紋章の横には、ラテン語で「ITA MORI」、つまり「かくして死す」と書かれ、その下にこの男性の年齢が60歳と記されています。フランス・ハルスがハールレムでこの肖像を描いたのは1611年ごろ、知られている画業の最初期のことで、ネーデルラント連邦共和国がスペインと十二年休戦を結んで間もない時期でした。男性は左手に頭蓋骨を載せ、糊のきいたひだ襟とレースの袖口がその身分を物語ります。1938年にこの絵を購入したバーミンガムのバーバー美術館は、富と地位を誇示しつつ、それもやがて骨になるという戒めをここに読み取っています。この肖像には、妻を描いた対の作品がありました。二枚は200年近く離ればなれで、妻の肖像はチャッツワースのデヴォンシャー公爵家のコレクションに入りました。紋章があるにもかかわらず、夫婦の身元はいまもわかっていません。2023年、ロンドンのナショナル・ギャラリーで開かれたハルス展で、二枚は再び並んで展示されました。




