
Anthony van Dyck · PD
ヘンドリック・リベルティの肖像
作品情報
ストーリー
手にした楽譜の音符は、いまも読める。四声のカノンである。ただし音符の下の歌詞は読めない。文字のほうは、同じ構図の別の版と、そこから起こされた版画によって補われた。アルス・ロンガ、ウィータ・ブレウィス。技芸は長く、人生は短い。曲を書いたのは描かれている本人、ヘンドリック・リベルティで、1600年ごろフローニンゲンに生まれ、1621年にアントウェルペンで自作のモテット集を出し、1628年3月に同市の大聖堂のオルガン奏者になった。ファン・ダイクが彼を描いたのは1627年から1632年、アントウェルペンに戻っていた時期である。のちにピーテル・デ・ヨーデがこの肖像の異なる版を銅版に起こし、ファン・ダイクが同時代人を集めた版画集《イコノグラフィー》に収めた。1635年、ブリュッセルの宮廷がオルガン奏者の職を差し出したが、リベルティは動かなかった。




