
Anthony van Dyck · PD
ブレーヘム男爵フィリップ・ル・ロワの肖像
作品情報
ストーリー
ヴァン・ダイクが自分の署名を入れた絵はごく少ない。この一点には入っている。モデルの足もとの石段の上である。制作は1630年。
フィリップ・ル・ロワはアントワープの製造業者の庶出の孫で、金の扱いがうまかった。ラヴェルスとエールという二つの村の封建的権利を買い取り、あわせてラヴェルス領主を名乗る権利も手に入れている。1630年のアントワープはスヘルデ川をふたたびオランダに封鎖され、海から切り離されていた。商いに回っていた金が土地と称号へ移っていく時期である。注文された肖像は等身大の全身像で、高さは二メートルを超える。婚約者マリー・ド・ラートの対になる肖像は翌1631年、彼女が17歳のときに描かれた。




