
Paul Klee · PD
三つのドームのある町
作品情報
ストーリー
1914年の春、クレーは画家仲間のアウグスト・マッケとルイ・モワイエとともに、約2週間かけてチュニジアの海岸沿いを旅した。荷物は小さな水彩の絵具箱と紙のブロックだけだった。白く塗られた町並み、平らな屋根の上に低く連なるモスクの丸屋根は、彼が何年も追い求めていたものを差し出してくれた。ここでは三つのドームはほとんど描き込まれていない。ばら色、黄土色、青の矩形のあいだに、淡く丸い形として置かれ、町全体が透明な色の格子へとほどけて、そこを陽の光がそのまま通り抜けていくかのようだ。水彩を選んだのは、持ち運びが軽いからでもあり、紙そのものの明るさが絵具を通して立ちのぼってくるからでもあった。




