
Ilya Repin · PD
ピアノにて。ソフィア・タルノフスカヤの肖像
作品情報
ストーリー
ピアノの前に横顔を見せて座っているのは、ソフィヤ・タルノフスカヤ。黒い髪に赤い花を挿し、片手を鍵盤に置いている。明るい色のドレスが、茶色く沈んだ部屋の暗がりから浮かび上がる。高さ50センチに満たない小さなカンヴァスである。
1880年の夏、レーピンは15歳の弟子ヴァレンティン・セローフを連れてウクライナを旅していた。トルコのスルタンに嘲りの返書をしたためるザポロージャ・コサックを描く大作のために、顔や衣装、武器を探していたのである。その夏のしばらくを過ごしたのが、チェルニーヒウ地方にあるタルノフスキー家の領地だった。ソフィヤの夫ワシーリー・タルノフスキーは、コサックの刀剣や武具、ヘトマンゆかりの品を集めた収集家で、レーピンはそれを見るために訪れたのだ。この夏、タルノフスキー自身も、大作に描かれるコサックのひとりのモデルを務めている。




