
Frans Hals · PD
白衣の紳士の肖像
作品情報
ストーリー
1637年のハールレムは、二つの打撃から立ち直りかけていた。前年の夏から秋にかけてペストで五千人以上が死に、明けて2月には球根相場が崩れた。チューリップに値がつかなくなったのは、まさにこの街の競売からだったと伝えられている。
ハルスの工房はその年も動いていて、これはそのころに描かれた一枚である。白い絹の胴着に金属糸のリボンを飾った装いは、黒ずくめが普通だった当時のオランダの肖像画のなかでは目立つ。片手を腰に当てて肘を張った構えが、そのまま男の自負になっている。絵筆の動きも速く、衣装の照りはほとんど一筆で置かれている。名前は記録に残らず、誰を描いたのかはいまも分かっていない。




