
Anthony van Dyck · PD
セビラ・ファン・デン・ベルヘの肖像
作品情報
ストーリー
1630年ごろのアントウェルペンはスペイン・ハプスブルク家の支配下にあり、オランダがスヘルデ川の航行を封じて以来、港は何十年も息を詰まらせていました。それでも町には金が流れ、その一部はセビラ・ファン・デン・ベルヘの夫の手を通っていました。ポルトガル系の家に生まれたフィリップス・ゴディネスは、スペイン国王の税をアントウェルペンで徴収する役人だったのです。セビラ自身はアントウェルペンの裕福な商家の出でした。ヴァン・ダイクはこの夫妻を、それぞれ高さ二メートルを超える立ち姿の全身像の対として描き、夫の肖像も同じ展示室に掛かっています。こうした全身の立像形式は16世紀にまず貴族のために生まれ、ほどなく裕福な市民にも用いられるようになりました。背後の円柱と重い垂れ幕が、美術館の言う貴族的な風格を画面に与えています。この絵はいまも、ミュンヘン近郊のシュライスハイム宮殿の古いギャラリー用額縁に収められています。




