
Giovanni Battista Tiepolo · PD
ロレートの聖家の奇蹟
作品情報
ストーリー
1291年、エジプトのマムルーク朝がアッコンを陥落させ、十字軍は聖地に残った最後の大きな拠点を失いました。ロレートの聖家の伝説は、まさにこの年に、ナザレにあった聖母マリアの家が旅立ったと伝えています。サラセン人の脅威から逃れるため、天使たちが家ごと空へ持ち上げて海を越え、やがてイタリアのアドリア海沿岸の町ロレートに降ろしたというのです。
ティエポロは、その脅威を画面に残しました。楕円の縁にはターバンを巻いた人々が見え、家の下では異端と虚偽を表す暗い色の人物たちが落ちていきます。天使たちが家を押し上げ、屋根の上には聖母子が座り、いちばん上には父なる神がいます。上にいく人物ほど小さく描かれているので、教会の中から見上げると天井が空へ開けていくように見えたはずです。
これは1743年、ヴェネツィアのスカルツィ教会の天井画のために描かれた最終段階の習作です。フレスコ画そのものは失われ、いくつかの断片がヴェネツィアのアカデミア美術館に残っています。





